憲法施行63年-海洋国家のアイデンティティーを
現行憲法が施行され、改正されないまま63年も経過している。
日本国憲法は、実は世界でもっとも古い憲法になってしまった。
今月18日には、国民投票法が施行されるが、
果たしてその準備はできているのだろうか。
まず、政権与党である民主党が、
憲法審査会を中断させていることは大問題である。
国家の根本を議論させないとは何事か。
そして、政治全体が憲法から目を背けている傾向がある。
現在の政党の基本理念や、各国会議員の問題意識が、
憲法に向かっていない。
参議院選挙の争点を見ても明らかで、
からくも「たちあがれ日本」と「自民党」がマニフェストに挙げている程度である。
よって、国民も、何とはなしに「改正したほうが良いかも」程度で、
強い世論を形成しえない。
当然、メディアなどは、全くあてにならない。
果たしてこれで良いのか。
憲法を国内問題として考えすぎではないか。
あと数年で、日本をとりまく国際環境は大きく変化する。
2012年に台湾総統選挙があるが、同時に中台の軍事バランスが崩れる時でもある。
2012年は韓国大統領選挙であり、親日の李明博から交代する。
2012年は北朝鮮の掲げる軍事強盛大国実現の年であり、
テポドン発射準備や韓国哨戒艇爆破事件に見られるように、
この国は何をしでかすか分からない。
金正日からの政権移行が安定的に行われるかどうか。
そして1~6個保有していると言われる核兵器を、
安定勢力が確保できるかどうか。
2012年は中国国家主席も交代する。
2012年はアメリカ大統領選挙もあり、オバマが継続できるかどうか。
米国が内向きにならないか。
日本に集団的自衛権が無いことを、大多数の米国上院下院議員は知らない。
有事など何かをきっかけに日米同盟が破棄され、
取り返しのつかない歴史を歩みはしないだろうか。
日本が周辺の環境を気にせず、
内紛で汲々としている「島国」になっている。
これではいけない。
日本のアイデンティティーは「海洋国家」にある。
歴史と伝統に基づいた
アジア太平洋の平和維持のリーダーとして、
少なくとも前文と9条は見直す責任がある。
極論、憲法を考えない国政など、あってもなくても良いものだろう。
その程度ならば、官僚に任せたほうが、よほど良い仕事が出来る。
政治・メディア・教育など、憲法を考えさせない既存の体制が、
わが国の未来を蝕んでいる。
畠中光成
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