放射能漏れ対応は正しいか

東日本大震災の発生から6日が経過した。
その中でも特に全国民や世界が注目しているのが、原発被害と放射能漏れの行方である。
どのメディアも同じような報道ばかりを繰り返しているが、
果たして放射能漏れの対応は正しいのか。
政府が危機管理対応にあたり、報道のあり方にも注文をつけている疑いがある。
原発から漏れている放射能の影響がどこまで及ぶのか、
正確な報道が見当たらないのだ。
 
危機管理の大原則は、経済的観念を振り払って、一気に事態を収束させることだ。
その点、原発にホウ素や海水を撒くという処置は、
原発の再利用を断念したという点で正しいと言える。
しかし、それは東電や政府にとっての最悪の事態を避けた行動とも言えるのだが。
 
最大の懸念は、「放射能が風に乗って、どこまで届き、どのような影響を国民に与えるか」である。
その報道がほとんど見当たらないのだ。
気象庁の報道が繰り返しあっても良いものだろうに。
 
また、政府や報道が使用している「1時間あたりの放射線」という値は、
生活者にとってはまったく無意味な数字であり、
本来今必要なのは1日あたりや1週間あたり、
中長期的には1年あたりの数値である。
原子力安全委員などを歴任した中部大学の武田邦彦氏によると、
1年あたりの放射能は、その蓄積を勘案し、1時間あたりの1000倍の計算になるという。
レントゲンなど1回きりの場合などと比較しても、全く意味がないのである。
 
支援に来た米軍は93キロ圏内に立ち入りを禁止し、
無人偵察機グローバルホークさえ導入しはじめている。
その他いくつかの外国政府が、在日邦人に対して国外退去を勧告している。
CNNでは原発に放水している自衛隊などに対し、HEROというテロップで説明している。
ヘリによる上空からの注水も、機動隊による放水も、命懸けの行動であるが、
少しでも放射能漏れの数値を下げる効果を期待してのことだろう。
本当に命懸けの行動に深く敬意を表するが、
その背後にある政府の考え方にはやはり疑いを持つ。
何の為に放水しているのかの報道が見当たらないのだ。
 
東京をはじめとした都市部住民の大避難を避けるために、
情報を操作しているとすれば問題である。
それは危機管理の対応として、政府は経済的観念を優先したという意味になる。
政府は正確な放射能データと、気象庁のデータを早急に国民に公開すべきだ。
 
政府対応の評価は後世が判断するものとして、
一生活者の判断としては、武田邦彦氏の情報はとても参考になるので、紹介します。
 
 
畠中光成
 

はたなか光成 <元衆議院議員>公式HP

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