権力の暴走

陸自幹部が日米共同訓練の訓示にあたり
「同盟は『信頼してくれ』という言葉だけで維持されるものではない」
と述べたことで、北沢防衛相より注意処分を受けた。
鳩山首相がオバマ大統領に述べた「Trust me」を
連想させるためとのことだ。
幹部が述べた話は、
体を張って安全保障を担っている自衛隊員、米軍兵士双方に向けて、
至極真っ当な訓示である。
 
軍事に対して政治が優位である文民統制は言うまでもないが、
ここまでくれば言論統制の行き過ぎであると思う。
仮にこの訓示が事実、鳩山首相を批判する意味であり、
注意処分が真っ当であったとしても、
そのように自衛隊員に思わせる政治側に問題はないのか。
そこに踏み込まねば、「権力」は暴走する。
 
そういえば小沢による天皇の政治利用以降、
警察機動隊が民主党の都道府県連を警護するようになった。
過激な右翼からの攻撃を警戒してのことだが、
実際そのようなことは皆無であった。
その風景を見て、
国家を貶める人物を、国家が警護する、
「権力」とはこうにもなるものかと思った。
 
 
畠中光成
 
国民が与えた「権力」は、国民にしか剥奪できない。
あらためてそう思わせる出来事であった。

はたなか光成 <元衆議院議員>公式HP

元衆議院議員 はたなか光成(無所属)の公式HPです。