円高、TPP、年金支給年齢引き上げ・・・

円が戦後最高値を更新し、75円78銭になったという朝刊記事。
為替介入の準備があるというが、毎回焼け石に水ではないか。
 
夕方のニュース番組では、TPPの是非について、米韓FTAを引き合いに賛否の討論をしていた。
そりゃ、損もあれば得もあるだろう。それを乗り越えたところの議論がなかなか出てこない。
 
先週から年金支給年齢引き上げについて、受給者への影響についての報道がいくつか見られた。
何回、制度変更すれば気が済むのか。
そんなに変更を重ねれば、既に年金としての保険機能は喪失している。
考えるべきは、これからの若い世代が将来安心して年金を受け取ることのできる制度かどうかだろう。
 
それぞれ大変重要な問題であるものの、目先や個別の損得について議論をしており、
日本の閉塞感を象徴しているように思える。
 
決定的に欠けているのは、この国をどの方向にもっていくかという国家戦略と明確な意思だ。
国政では、マクロの経済を考えるべきであって、
ミクロと混ぜて議論をするから、損得の話が出てラチがあかない。
国家の未来を考えている政治家・官僚と、
個別の損得を考えている政治家・官僚の2種類が存在しているということなのだろう。
いまだなお、後者が幅を利かせているのが、永田町と霞が関ということだ。
それらがケンカしないように融和するのが、野田政権の安全運転なのだろう。
 
今、わが国が迎えている危機は、このような政治で乗り切れる性質のものなのだろうか。
既存の政治手法では、国益を損ねるばかりだと思う。
 
畠中光成

はたなか光成 <元衆議院議員>公式HP

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