社会保障と増税の誤解

菅首相の退陣がほぼ決まりそうで、そうなると民主党代表選挙によって次期首相が選ばれる。
代表選挙の争点は、どうも増税になるようだ。
名前が上がっている代表候補では、復興の増税には賛否両論並んでいるものの、
社会保障の増税には馬渕氏以外、全て賛成している。
 
復興の財源に増税は愚の骨頂であることは前に書いたが、
社会保障の増税にはどうも反対しにくい人が多いようだ。
しかし、よく考えてみてほしい。
日本の高齢化のピークは2075年で、今はまだ山の入り口にあたり、急こう配はこれからだ。
その間どれだけ増税すれば良いのか、誰も答えていない。
そう、増税してもまた増税を繰り返すだけで、
どんどん若い世代に将来不安を与え、まだ見ぬ世代にツケを残しているだけなのだ。
自分の孫や子供に、税率50%の生活をさせることを望む日本人がいるだろうか。
 
今の現役世代が今の高齢世代を支えている賦課方式ではなくて、
当初の仕組であった積立方式に戻さなくては、不安もツケも解消されない。
その間、本当の意味での「消えた年金」は、役所の無駄遣いや政府のバラマキ年金に使われてしまった。
そのことを誰も言わないし、責任追及さえしない。
その責任は霞が関と永田町が負うべきなのだ。
今の国民が負うべきではないのはもちろんのこと、将来の国民が負うべきものでは絶対にない。
 
増税は打ち出の小槌ではない。
公務員改革など政府を徹底的にスリムにすることなしに、
正しい政策はなしえない時代に入った。
まさに「増税の前にやるべきことがある」だ。
 
 
畠中光成
 

はたなか光成 <元衆議院議員>公式HP

元衆議院議員 はたなか光成(無所属)の公式HPです。