憲法第3章「国民の権利と義務」について意見表明しました!(憲法審査会発言概要)

みんなの党の畠中光成でございます。
 
本日は、第三章の国民の権利と義務についてであります。
 
そもそも、法治国家における憲法の性格は、国家権力のあり方を制限的に規定するものであります。よって、国家権力が侵すことのできない国民の基本的権利を定めたものと解しております。ホッブズの言うリバイアサンを引き出すまでもなく、憲法によって規定の対象となるのは国家権力だというのが基本であります。
 
憲法改正論議の中で、日本国憲法が国民の権利を強調し過ぎており、義務が少ないのではないかという見方がありますが、近代立憲主義における憲法の考え方は、むしろ国民への義務は必要最小限にとどめるべきというものであります。
 
もちろん、逆に、国家権力が国民のために積極的に保障する権利は、先ほど申し上げた憲法の持つ基本的性格を踏まえつつも、否定する立場ではありません。この現行憲法の第三章による人権保障規定は諸外国のそれと比べても遜色ないと考えます。
そのようなことを鑑みれば、おおむね第三章の規定については憲法が改正されたとしても引き継がれるものであると考えます。みんなの党が昨年四月に発表いたしました憲法改正の基本的考え方においても、特段、第三章についての改正すべき点を掲げておりません。
 
ただし、時代の流れとともに現実とのギャップや不都合が生じ、新しい人権の概念が求められる可能性も否定しません。これについては、立法措置で十分なのか、憲法に明記すべきものなのかは、今後、党内で議論を深めていきたいと考えます。
 
そのほか、みんなの党が地域主権型道州制を主張している観点から申し上げますと、これにより地方自治体の役割が飛躍的に高まることになりますので、外国人の参政権には反対の立場ではありますが、これを憲法上の観点からも明確にする必要があるか否かなども議論の必要があるかと考えます。
 
最後に、憲法第十四条、法のもとの平等において違憲と判断された一票の格差問題について申し上げます。
 
一票の格差が最大二・四三倍だった昨年十二月の総選挙について、東京、札幌、仙台、名古屋など多くの裁判所が違憲と判断しました。これを早急に、しかも的確に解決するために、みんなの党は、全国集計の比例代表制を提案しております。全国ベースで政党別に議席配分されるため、一票の格差は生じず、正確な一人一票が実現します。人口流動による不均衡が生じない、人為的な恣意性が排除される、区割り変更の必要がないため、すぐにでも実行が可能であるなど、たくさんのメリットがございます。
 
この一票の格差問題は、選挙制度のみならず、憲法そのものにかかわる問題でございます。また、選挙制度は選ぶ方の国民から見てわかりやすさが肝心です。選ばれる方の都合を重視するとどうしてもわかりにくくなってしまうのではないでしょうか。憲法審査会にお集いの先生方にも、この選挙制度の見直しについて、ぜひ憲法の観点からも御一考いただければとお願い申し上げます。
 
以上、みんなの党の第三章についての意見表明とさせていただきます。
 

はたなか光成 <元衆議院議員>公式HP

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