憲法第1章「天皇」について意見表明しました!(憲法審査会発言概要)

みんなの党の畠中光成でございます。
 
みんなの党は、既に昨年四月のサンフランシスコ平和条約発効六十周年に合わせて憲法改正に関する基本的考え方を発表しておりますが、十二月の総選挙で議席を伸ばし、その後も議論を継続させております。
 
みんなの党は、憲法第九十六条、すなわち改正要件の緩和をアジェンダの中で掲げており、軟性憲法への改憲を志向しております。
 
明治憲法も不磨の大典とされていましたが、現行憲法は一九四七年の施行から一度も改正されたことがない硬性憲法であります。その間、国際情勢、政治社会情勢、国民の価値観などの大きな変化があって憲法問題は多面化しているにもかかわらず、護憲、改憲のイデオロギー闘争に陥ってきたことは残念であります。
 
その立場からも、この憲法審査会において新しい論点を含めた議論の活発化を望むものであり、あわせて、国民投票を初め憲法議論に国民が参加をする機運を醸成する役割がこの憲法審査会にあると考えます。みんなの党はそのような改憲勢力であることを、まず申しておきたいと思います。
 
しかしながら、大切なことは、仮に憲法が改正されたとしても、実態としての国家の機構が変わっておかなければうまく動きません。まずは公務員制度改革や道州制など統治機構の改革、中央集権、官僚統制からの脱却、政党のあり方という古くなった我が国の実態、中身の改革こそ憲法改正の前に行うべきというのが我が党のスタンスであることを冒頭に述べます。
 
さて、前置きが長くなりましたが、第一章、第二章、たくさん改革すべきことがある中で、だからこそ守るべきものは何かということであるかと思います。
 
第一条の天皇の元首性について述べます。
現行憲法では、天皇を元首と位置づけることについては、学説上、肯定説、否定説がありますが、対外的に確立している現状を明確化するため、天皇陛下は日本国の元首であると明記すべきだという立場です。
 
また、みんなの党が主張しております首相公選制との関係からも、総理大臣が元首でないことを明らかにしておく必要があると考えます。
 
同時に、我が国の歴史的経緯から判断すると、天皇陛下は権威であられて権力ではないとの認識のもと、日本国民統合の象徴という言葉も残すべきと考えます。
 
二条の皇位継承については、男系男子等といったさまざまな論点については、我が国の長い歴史、伝統にかかわることであり、御皇室の将来のあり方をめぐる極めて重要な問題でもあり、国民の相当なコンセンサスを得るべきものでありますので、慎重な議論を重ねた上のものでなければならないという立場です。
 
三、四、六、七条の天皇の行為については、さきに申しました国の機構や中身を変えずして先に改正を論じるべきものではないと考えます。
 
最後に、国旗・国歌についてですが、一九九九年に国旗・国歌法が施行されたものの、その後も教育現場での混乱は収束せず、国旗の掲揚、国歌の斉唱を命じることが現行憲法第十九条の思想、良心の自由に抵触するか否かに関する判決が続いています。
 
国旗が日章旗、国歌が君が代であることは国民大多数が認識しており、無用な論争や混乱を避けるためにも、法律のレベルにとどまらず、国旗は日章旗、国歌が君が代であることを憲法に明記すべきだという立場です。
以上、みんなの党の第一章についての意見表明でございます。