東アジア共同体という幻想

仙谷官房長官の肝いりで、内閣官房参与に評論家の松本健一氏が就任するという。
仙谷氏が松本氏を起用した理由は、
「日本人としての健全なナショナリズムを持ちながら、中韓に豊富な人脈があり、
外交面で菅政権にアドバイスをもらうため」という。
松本健一氏の思想は民族主義的な側面が強く、確かに保守派に分類されるのだろうが、
この局面に相応しいかどうかは、私は疑問符をつけたい。
 
仙谷官房長官が期待する外交面での松本氏の考え方は、
以下の書物に要約されるだろう。
 
「日・中・韓のナショナリズム 東アジア共同体への道」第三文明社 2006
「なぜ日本にアメリカ軍の基地があるのか」牧野出版 2010
 
要約するというより、意訳すれば、
「東アジア共同体を創れば、日本周辺の安全保障問題が解決し、米軍は不要」
という考え方である。
氏は昭和天皇や北一輝についても執筆しているものだがら、またややこしい。
勉強をしない右翼にも、観念的な左翼にも、魅力的に映るのだろう。
 
しかし、冷静に考えてほしい。
東アジア共同体は本当に必要なのか。
自主防衛は必要であったとしても、米軍(日米同盟)は不要なのか。
観念ではなく、リアルな国際情勢を眺めれば、
この人物の思想を推進することで喜ぶのは、隣の異形の共産国であろうに。
 
右とか左とかいう観念ではなくて、
やるべき仕事は現実に、
わが国の伝統と国土、国民の生命・財産を護ること、それしかないのだ。
 
日本の危機は着々と進行している。
なんとかしなくてはならない。
 
 
畠中光成 

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