日銀と財務省をコントロールせよ

国会が閉会し、いよいよ参院選に突入する。
野党はこれまで、小沢前幹事長の「政治とカネ」や鳩山前首相の「ルーピー」を攻めていたが、
菅政権になり全く肩透かしを喰らわされた感じだ。
 
参院選の争点は、菅首相自らが述べたように「経済・財政」問題になるだろう。
長引く景気低迷やギリシャ財政危機など、国民の関心が最も高いテーマでもある。
 
しかし菅新政権による「第3の道」経済・財政政策は非常に曖昧であり、
期待値だけ高め、選挙後はどうにでもできる内容だ。
注視すべきは、脱デフレのために、日銀と財務省をコントロールできているかどうかである。
日銀は相変わらずデフレ認識が甘く、
財務省は消費税増税をあの手この手で実現させるだろう。
菅新政権は今のところ、どちらにも「コントロールされている」、
経済ルーピーになりそうに思える。
メディアが新政権ご祝儀の為か、そこを正しく指摘できていないのが残念である。
 
一方、野党である自民党は、経済・財政政策で攻める政策を持たない。
谷垣総裁も菅首相も、財務大臣を経験しており、ともに財務省に洗脳された為か、
代わり映えしないのだ。
分かり易い経済・財政の対立軸を示すような政党になっていないことは、日本の不幸のひとつである。
 
日本の危機は、長引くデフレ不況にある。
消費税を先にやってしまうと、更にデフレが長引き、取り返しのつかない事態になりかねない。
明確な危機意識を持った政治家が、積極的な金融政策と財政出動により、
日銀と財務省をコントロールすること。
 
今回の参院選において、それを主張する政治家や政党は見当たらない。
裕福な政治家には、日本の「緩やかなデフレ」といった
極めて生活的な感覚からしか分からない危機を
感じ取ることはできないのかもしれない。
 
 
畠中光成

はたなか光成 <元衆議院議員>公式HP

元衆議院議員 はたなか光成(無所属)の公式HPです。