日本よ-石原慎太郎氏を読んで

1/4産経新聞朝刊の石原慎太郎氏「日本よ」を読んだ。
私はこの人の発想は好きだ。
要約すると、戦後60年間、日本だけは他の国ではありえなかった平和の存続と緊張の欠落、
いたずらな物質的繁栄により、精神の衰弱と荒廃をきたし、
それを全く顧みぬところまで自らをおとしめてしまった。
そして政治もまたそれへの警鐘を忘れ、それにおもねり迎合するポピュリズムに走り、
この国を覆っている暗雲を払おうとはしない。
それを象徴するのが、この破綻が誰の目にも明らかな財政危機に対して、
消費税に関する議論が長らく封じられていることだという。
氏はまた今月のSAPIOで、「若者たちへ。失恋を恐れるな。SEXを恐れるな。」と題し、論を構えている。
少子化というか、その根底にある精神衰弱に対して、警鐘を鳴らしておられるのだろう。
 
人によって語り方や表現は違えど、
根本的な問題意識というものは、別に専門家でなくとも共有できると思っている。
むしろ勉強をしなくとも、「おかしなことはおかしい」と分かると思うのだ。
それを吸い上げるのが本来の民主主義だと思うのだが、
そのような性善説にたつのは、政治家が競争原理の上で選択されているのと、
矛盾していることは認めざるをえない。
「勝てば官軍」「寄らば大樹」そんな論理が大方を占め、根本的なあたりまえのことが後回しにされている。
「おかしなことはおかしい」という感覚さえ失った人間が政治を担うことこそが、国を危うくするのだと信じる。
 
先日、西村眞吾氏の講演を聞いた際、
小沢一郎というのは「政界のホリエモン」だと言われた。
なるほど、数や金が全て、という論理は、
人々の幸せ云々よりも、企業買収や株価に血眼になる姿と、
何ら変わりはない。
われわれは、民主主義・資本主義という、そういう社会に生きているのだという前提で、
それでもなおそこにある本質的な「大切なもの」を忘れてはいけない。
でなければ、経済のみならず、政治・社会のリーマンショックが起こるかもしれないし、
もう既に起こっているかもしれないのだ。
 
 
畠中光成

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