パックスシニカの時代が来たとしても

これからの世界秩序はどうなっていくか。
アメリカは衰退の方向にあり、これからは中国をはじめアジアの時代になるだろう・・・。
これからはG2の時代だ・・・。
そんな言説が思想の左右を問わず浸透し始めている。
中国の急激な成長と世界的な資源確保の動きを見ていると、
G2の時代、パックスシニカの時代が絶対に来ないとは言い切れない。
しかし、万一、世界秩序がその方向で進むようなことがあったとしても、
日米同盟を反故にし、中国に乗り換える政策を日本が取る事は、
大きな間違いであると考える。
 
日本はこれまで大国に乗っかってきた「バンドワゴン(追従)政策」を選ぶことが多かったため、
アメリカの衰退を感じると、すぐに大国・中国へ色気を見せようとする。
それは、戦後日本が経済一辺倒で成長してきたことによる、
いかにも商人的な発想と言わざるを得ない。
 
国家はそういうものではない。
安全保障を考えるにあたり、
通常は「バランシング(均衡)政策」を選ぶ方が、優れた策であると言われる。
つまり、中国が台頭するのであれば、それに対抗できる同盟を確保し、
当然自国の防衛もあわせて強化するのである。
その同盟とは日米同盟以外に考えられない。
強化するならば、インドやオーストラリア、ニュージーランドなど、
自由と民主主義の理念を共有できる国との同盟を追加することだろう。
この構図こそが、アジアの繁栄と世界平和を享受する受け皿となりえるのではなかろうか。
 
世界秩序がどのようになろうとも、
わが国が選ぶべき道は、華夷秩序とは一線を画すものでなければならないのである。
 
 
畠中光成

はたなか光成 <元衆議院議員>公式HP

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