海洋国家への認識転換
日本は資源の無い小さい国のように教えられてきたが、
これからの時代には認識の転換が必要だ。
わが国は、排他的経済水域を含むと世界第6位の面積を誇る海洋国家であり、
その海底にはメタンハイドレードなど次世代の資源を多く有する。
最北端は択捉島、最南端は沖ノ鳥島、最東端は南鳥島、最西端は与那国島。
これらの離島が、日本の支配権が及ぶ周辺海域の根拠となっている。
よって、われわれはこれらの離島やシーレーンを何が何でも守らねばならない、
という意志と行動こそが海洋国家の条件である。
尖閣諸島で起きた中国漁船衝突事件は、許されざる行為であるのはもちろんのこと、
その背後にある中国の海洋戦略と、わが国政府・マスコミの媚中体質をあらためて明らかにした。
内部から崩壊しつつあるわが国を見るに、
戦後のあり方を見直さなくては対中戦略もままならないと思うが、
その道程は極めて困難であることが予想される。
すなわち、わが国は米国に依存してきた、中国はソ連に依存しなかった、
という防衛や国家戦略の問題が根本的に横たわる。
中国は「この時を考えていた65年」だったが、わが国は「この時を考えなかった65年」だったのだ。
戦後65年間を否定するつもりはないが、あまりにも無策であった。
「事業仕分け」を面白く感じるのは、権力と国民を別のものとして対象化している為で、
「防衛」や「憲法」が面白くないのは、そのような区別が出来る由もない共同体としての問題であるからだろう。
こういった国民性こそ、あらためるべきだということに、早く気付かねばならない。
畠中光成
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