國體の本義

鳩山総理はよく「宇宙人」と呼ばれているが、
彼(そして夫人)の宇宙観は非常に妖しげなものであると思う。
もちろん個人としてどのような思想・信条、そして宇宙観を持つのは勝手なことであるが、
日本国の総理たるものの、思想・信条としては、受け入れ難いものがある。
 
「國體の本義」に「天壌無窮」とあり、我が国に流れる時間的宇宙観を述べている。
「天壌無窮とは天地と共に窮りないことである。
惟ふに、無窮といふことを単に時間的連鎖にのみ考えるのは、未だその意味を盡くしたものではない。
普通、永遠とか無限とかいふ言葉は、単なる時間的連鎖に於ける永久性を意味してゐるのであるが、
所謂天壌無窮は、更に一層深い意義をもつてゐる。
即ち永遠を表すと同時に現在を意味してゐる。
現御神にまします天皇の大御心・大御業の中には皇祖皇宗の御心が拜せられ、
又この中に我が國の無限の将来が生きてゐる。
我が皇位が天壌無窮であるといふ意味は、実に過去も未来も今に於て一になり、
我が國が永遠の生命を有し、無窮に発展することである。
我が歴史は永遠の今の展開であり、我が歴史の根底にはいつも永遠の今が流れてゐる。」
とある。
 
鳩山首相の掲げる「友愛」とは、
EUの父とも言われるクーデンホーフ=カレルギーの書物から鳩山一郎が翻訳し、
首相自身の論稿「私の政治哲学」にも述べられたとおり、
フランス革命の「自由・平等・博愛」の博愛=フラタナティに源流がある。
フランス革命は、近代市民社会や民主主義の土台となったものであるが、
その民主主義は国王を死刑にすることによって得たもので、
実は非常に戦闘的な国家解体思想であり、
我が国の君民一となる天壌無窮の国柄と、もともと相容れないことは言うまでもない。
 
歴史の縦軸から宇宙を体感せずして、
「友愛」なる思想を掲げる鳩山首相では、
「國體を捨ててでも、東アジア共同体によって友愛を実現する」
となってしまわないか、非常に心配する。
よって鳩山首相に問うべきは、戦後民主主義的な思想信条の左右ではなく、
國體を守る思想かどうかなのだ。
これまでの行動・言動、小沢氏を擁護するその姿勢から思うに、
全くその気配は感じられない。
 
この考えには加担できない。
私が昨年の総選挙出馬をお断りした最大の理由はここにある。 
 
 
畠中光成

はたなか光成 <元衆議院議員>公式HP

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