NSCについて質問しました!(国家安全保障委質疑概要)

【畠中】
国家安全保障会議(NSC)は国家戦略を明確化し、的確な政策オプションを提示できる体制を整えるもの。また、総理大臣を司令塔として国家戦略を策定するものであると認識。
我が党のアジェンダにもある。
私も、先の国会で頑張ってほしいという立場から、安倍総理と議論。
政策決定者である総理大臣に、正確でタイムリーな情報が上がり、それを読み取り、判断しやすい仕組みをつくることができるかがポイント。
NSCの創設意義は何とお考えか。
 
【菅官房長官】
北朝鮮や中国の問題といった懸念事項がある。
そうした中、NSCの設置の意義は、総理など関係閣僚が平素から戦略的観点を持って審議を行い、政治が強力なリーダーシップを発揮して、国家安全保障政策を機動的、戦略的に進めていくための環境を整備すること。
 
【畠中】
外的な環境についてはご指摘のとおり。
しかし、国内においても意味のあるものだと思う。
縦割り行政に象徴される官僚主義などを乗り越えて初めて、NSCが本来の期待どおりに機能していく。
NSCでは、情報の流れがいかにあるかが重要。
すなわち、インテリジェンスサイクルがきちんと回っているかどうか。
現行、どのような課題があり、NSCの設置でどう改善されるとお考えか。
 
【菅国務大臣】
国家安全保障局の創設により、トップダウンでそれぞれの省庁に対して必要な情報を要求することができることになる。
 
【畠中】
既存の防衛省や外務省から総理への報告ルートは、NSC設置後はどうなるか。
 
【菅官房長官】
総理の判断により、引き続き報告も可能。
 
【畠中】
NSCにおいては、政策と情報の分離が大切。裏を返せば、政策と情報の結節点が極めて大切。
そのポジションを占める国家安全保障局長はどのような人物が適切と考えるか。
 
【菅官房長官】
国家安全保障に対しての高度な専門性と実務に精通していることが基本的には大事。
さらに、他国のNSCと直接対話ができたり、危機管理監と緊密な連携をとれたりする人物が適当と考える。
 
【畠中】
国家安全保障局長と危機管理監は、どのような連携を想定しているのか。
 
【菅官房長官】
国家安全保障局長は外交、防衛の政策にかかわる企画立案と総合調整を担当。
危機管理監は危機が発生した場合、物事を実行に移す部隊。
 
【畠中】
総理補佐官についてお伺いしたい。
国家安全保障担当総理補佐官と官房長官や外務大臣、防衛大臣とのすみ分けは。
米国のスーザン・ライス国家安全保障大統領補佐官のカウンターパートは誰と決めているか。
 
【菅官房長官】
国家安全保障担当総理補佐官は、総理に助言を行う役割。
NSCを効果的に機能させるためには、総理を中心に、外務大臣、防衛大臣等が常に外交、安全保障に対しての考え、方向性を一つにしていくことが重要。
米国大統領補佐官のカウンターパートは国家安全保障局長と考えている。
 
【畠中】
報道によると、国家安全保障局職員には、防衛省関係者が多過ぎるのではないか。
国家安全保障局の組織はどのような規模を考えているか。
 
【菅官房長官】
設立の時点においては、60名程度。
総括ほか地域ごとの班など、6班程度の体勢を考えている。
 
【畠中】
NSCを持つ他国では、民間人を積極登用している。
我が国でも官僚に加えて、研究者などの民間人を積極的に登用し、オール・ジャパンで日の丸を背負うという気概を持った方々で構成されなくてはならないと考える。
そのためには、人事制度の検討も必要。ご所見は。
 
【菅官房長官】
ご指摘のとおり、国家安全保障局には、多様なバックグラウンドを持った優秀な人材を集め、国益の観点から業務を遂行する強力なチームを作りたい。
 
【畠中】
NSCの担う役割の一つに、中長期的な国家安全保障戦略(NSS)の策定がある。
一方、本年9月に安防懇で国家安全保障戦略の概要が出ている。この有効性は。
 
【菅官房長官】
安防懇の報告も踏まえて議論していく。
 
【畠中】
NSSは国内外ともに発信していくべきではないか。
 
【菅官房長官】
今後検討していく。
 
【畠中】
立法府においてインテリジェンスコミュニティの在り方を検討するなど、民主的統制を強化すべきと考えるが、見解は。
 
【菅官房長官】
重要と考える。